日本においては、救急医療の需要が年々高まっています。
高齢化が進み、脳梗塞やくも膜下出血など、緊急性の高い症状に見舞われる人の数が増えているのが大きな要因です。
心筋梗塞等も、発症をすれば自分一人で病院に行くことは不可能です。
このような症状のため、救急車で病院に搬送される人の数は増加しているのが現状なのです。
しかも、市民のモラルの低下によって、軽症でも救急車の出動を要請することも少なくありません。
さらに昔に比べて、救急車が現場に到着をする時間が伸びているのも問題視され始めています。
救急車が現場に着くまでにも時間がかかりますし、その救急車が病院に到着するまでにはさらに時間がかかります。
様々な状況から一向にスピードアップが果たせていない点が課題でしょう。
しかしその一方で、救命医の質は上がっているのも現状です。
また、医療設備についても大きな進歩が見受けられます。
アナログで管理していた患者のデータをデジタル化することで、より効率的に情報のやり取りができるようになっている点は大きなメリットと言えるでしょう。
搬送の部分を改善させることができれば、世界でも類を見ない高い救命医療を実現できるはずですが、その目処は今のところ立っていません。
ドクターヘリも、予算の関係上数を増やすには至っていないのが現状なのです。
また救急搬送の問題については、国民の理解も必要になります。
外国では救急搬送が有料であるケースも珍しくありません。
日本でも条件次第では有料にするべきだという意見も出されていますが、国民的なコンセンサスが得られなければ容易に変更はできないでしょう。