カルテの電子化が進んで、救急医療の世界にも変化が巻き起こっています。
専用の端末で患者のデータを即時反映させ、そのデータを各病院でチェックできるようになっているのです。
今まではわざわざ電話で受け入れ先の病院を探していたのですが、これではどうしても時間がかかります。
無駄に病院を探している間に、救急車の中で息を引き取ってしまう人も少なくはなかったのです。
データをコンピューターで管理することによって、無駄なく受け入れ先の病院を見つけられるようになりましたし、その影響もあって命が救われる確率は高くなりました。
また他にも、時間のロスを極力減らして生存率を上げる対策が救急医療の世界では各所でなされています。
トリアージの導入も対策の一つといえます。
トリアージというのは、患者の状態に合わせて処理をする優先順位を付けることです。
軽症でしばらく時間をおいても問題のない患者や、残念ながらすでに助かる見込みのないと判断された患者を後回しにすることで、救出可能な命を一人でも多く救おうという対策です。
諸外国では昔から当たり前に行われていたことなのですが、日本で導入されたのは割と最近の話なのです。
効率化というものに、ようやく日本の医療業界も気づき始めたのかもしれません。
改善点はまだまだ多く残されているのが現状ですが、この調子で効率化が進んで行けば、急な怪我や病気で亡くなる人の数も減らせるはずです。
医師や救命救急士の質と量を高める工夫も並行して行えば、より安全に生きられる社会が実現するかもしれません。